2009/11/14

11月10日

やっと机に向かう事が出来、たまりにたまった依頼原稿や連載をやりはじめるが、簡単ではない。外は雨。
昨日の集荷が雨だったらえらい大事であった。


11月9日

来年7月から高松市美術館で開催する個展「第一回モリエンナーレ/『私』美術史」の集荷がある。
私の高校生時代の作品から最近作まで大量に預ける。図録のために作品写真も撮らねばならず、
額装などの事もあるので、ずいぶん早めの集荷となる。


11月8日

審査二日目。今年は作品の質は上がったが、おとなしい作品が多くかった。
ここにも不況の影響があるとのことだった。芸術もそれなりに費用のかかることだから、冒険にお金は費やせない
のである。難しいところだが、ここで芸術がふんばらないとどうするんだと、私自身はなんだか心のうちで闘志を
燃やした。温泉が効いて、疲れがちょっととれたせいかもしれない。


11月7日

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城山観光ホテルの朝食は、スゴイの一言である。バイキング形式なのであるが、鹿児島の食材を豊富に使った
和洋およそ50種のメニューが、ずらりと並ぶ。このほかに、黒酢ジュースやプチケーキもある。御飯は白米、
雑穀米、お粥。みそ汁も赤みそと白みそが選べる。
私の本日の選択は以下のとおり。
錦江湾の鯛の造り、若鶏むね肉柔らか蒸し、ちりめんじゃこに大根おろし、おから、焼きナス、安納焼き芋
ほうれん草おしたし、きびなご、がらんつ、秋刀魚蒲焼き、さつまあげ、釜焼又焼、卵焼き、みそ汁、御飯、
果物、種子島ミルク、黒酢ドリンク、プチケーキ他(*写真参照)


11月6日

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今日から鹿児島。南日本美術展の審査員である。今年で4年目。いつものように城山観光ホテルに滞在。
城山のてっぺんに立つこのホテルからは桜島が目に前で、眼下には鹿児島市街が広がる。広い温泉がある。
ここの露天風呂からながめる桜島は絶景。
*写真は11月6日早朝の桜島


11月4日

詩人の佐々木幹郎さんと対談する。
幹郎さんの父君であり、私の美術の恩師でもある佐々木節雄先生の遺作展会場にて。幹郎さんという
「詩人=言葉の達人」がお相手だったせいか、話をしながら「言葉ってなんだろう」とずっと考えていた。
なにごとかをうまく言葉で言い表せないと、世界の輪郭線があいまいなままで、とても気分が重くなる。
ところが、なにかの拍子で、いい言い回しを発見すると、「世界に対する解答」を得た気分になり、とても
気が晴れる。それは数学の問題が解けた時のような爽快感である。そしてこの発見した「解答」を得意げに
何度も各所で話をしたり書いたりしているうちに、次第にこの「解答」がますます堅牢になり、絶対に正しいと
いう確信にいたり、そこに喜怒哀楽さえも加わって、私は感動とともにこの「解答」を人々に話すことになる。
すると信じる言葉の強度はたいしたもので、信ずる心は他者にも伝わり、それなりの感動さえ呼び起こすことも
可能になってくる。
私は、それら言葉を巡る一部始終が「ウソっぽいな」と、いつも言葉不信に陥る。言葉は「世界の解答」なんか
ではないからである。言葉とは「ウソ」である。その「ウソ」を「ホント」と思い込む事により、人は言葉を
言葉足り得るものに偽装する。
私は、いろいろなインタビューに応じて気の効いた答えを話はするが、いつも最後に、「ええっと、今言った
こと全部口からでまかせですから、信じないように」と、口に出しはしないが、そう感じている。