月別アーカイブ: 2012年7月

2012/07/27

7月14、15、23、24日

7月14日〜15日
松本竣介作の油絵「彫刻と女」をもとにセルフポートレイトを制作。
14日、みんなに手伝ってもらいながら背景の大きな絵を描く。絵はすでに出来上がっていたのだが、
照明で反射するため、この上にさらにパステルや色粉で色をつけ、マットに仕上げなければならない。
15日、本番撮影。朝10時過ぎからメイク開始。様々な準備に手間どり、撮影開始が遅れる。
すべての終了は午後9時半を回る。疲労限界。

7月23日
急遽、京都に「『イジチュール』の夜へ」を見に行く。
渡邊守章、浅田彰、坂本龍一、高谷史朗、白井剛、寺田みさこらによる、朗読、音楽、ダンス、
映像などによる舞台。寺田みさこのダンス秀逸。

夜夢を見る。
私は雑然とした部屋で、大勢の人を呼んでパーティをしている。
なぜか人々は全員外出していて、今は部屋に私一人だけが残されている。
私ひとりというのは正確ではない。2匹の猫も部屋には残されていたからである。
誰かのペットで、檻に入れられている。親子で、子供のネコはよく眠っていた。
かわいいので、私はそっと檻をあけ、親猫を抱いた。檻をまた閉じ、それから部屋のドアもきちっと閉めた。
もしも猫が逃げても、部屋の外には出られないようにとの用心からだった。
親猫は白と茶がブチになった元気者で、なかなか言うことを聞かないが、次第に慣れてくる。
私は子猫のほうにも気が行き、檻から指を突っこんで、ちょっと子猫をつついてみた。すると子猫が目を覚まし、
檻の柵と柵の間から抜け出した。あまりにも小さい猫だったので、柵はなんに意味もなかったのだ。
私はあわてて子猫を捕まえた。黒い猫で気性が激しかった。私の指に咬みつき、手の腹に爪を立てた。
思わず子猫から手を引いた瞬間、猫が逃げ去った。部屋には荷物が雑然と詰めこまれているため探しても
見当たらない。気がつくと親猫も姿をくらましていた。
部屋をよく見ると、二枚のガラス窓に若干の隙間がある。入り口のドアの密閉性も完璧ではなかった。
ガラス窓の隙間から外に出て、ベランダを超えて屋根伝いに逃亡することは可能だった。入り口のドアの
隙間から廊下に出ることも容易である。

外出していた客が戻って来る時間になった。ばらばらと帰って来る人達に、今日のパーティはここまでで
中断せざるをえないこと、猫の飼い主に申し開きが立たないことなどを説明した。むろん柵の幅が大きくて、
子猫が簡単に出入りしてしまえる構造であったことは、私の責任ではないはずだ。しかし私が親猫と遊んだり、
寝ている子猫を起こしたりしなければ問題は発生しなかった。そのことについては私に落ち度がある。
それにしてもいったいこの2匹の猫の飼い主は誰なのだろう。外国人夫婦であるということはわかって
いるのだが、顔や名前に記憶がない。そのことも私を不安にさせている大きな要因だった。
私は街路に出た。なんとしてでも猫を探さねばならない。
探索の途上、この町の町内会会長に出会った。なにをしているのかたずねられたので答えると、
「最近は、人間様よりペットのほうが大事がられる、おかしな御時世だ」となんだかテレビの
コメンテイターのような語りを聞かされ、「ですから、そんなもの放っておいたらいいんです」と
息巻いて去って行った。それはそうかもしれないが、しかしあの2匹はじつにかわいかった。
このことについては誰であろうと文句のつけようはない。そう納得したところで目が覚めた。

7月24日
栽培していた小さなイチゴの鉢に真っ赤な実がついた。
一日で見事に白から赤へ。
201207いちご

*写真は、実った小さなイチゴ


2012/07/23

ちくま

   2012年 8月号   第497号  筑摩書房  (執筆・連載)

 [美術、応答せよ! 8]:抽象画ってどうやって描くのでしょうか?
                  杵渕 彰(精神科医・漢方医)  p32-35

森村が美術についての質問にお答えします。


2012/07/22

朝日新聞

2012年 7月22日    (執筆・連載)

 書評 : [視線] 大阪新名所 新世界・通天閣写真帖
          (橋爪紳也監修・解説、 創元社)


京都市立芸術大学 卒業生インタビュー(第3回)

(インタビュー)
森村の母校である京都市立芸術大学のホームページ上での卒業生インタビュー 第3回がアップされました。
「実は総合基礎実技第1期生」という学内の授業について語った掲載ページはこちらから。


クロワッサン・プレミアム

  2012年 9月号       (執筆・連載)

 美術の見方、美術の話。
 『バーン=ジョーンズ展 -装飾と象徴-』 
   少女マンガのような趣味や感覚で、懐古的世界を描いた画家。 p154-155。


2012/07/13

トーク・イベント

 下記展覧会の関連で森村がトーク・イベントに参加します。日時は、8月4日(土)16:00から。
インディペンデント・キュレーター 遠藤水城氏と対談します。詳しくは下記へ問い合わせ下さい。

展覧会情報:
展覧会タイトル:京都市立芸術大学大学院 絵画専攻油画 有志展「アートピーポーマッピン」
会期:2012年7月19日(木) – 8月5日(日)
開館時間:11:00 – 19:00(最終入場18:45まで)
休館日:月曜日
主催:京都市立芸術大学大学院美術研究科 油画研究室
会場:京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA1,2 / ギャラリーB,C
〒604-0052 京都市中京区油小路通御池押油小路町238-1(堀川御池ギャラリー内)
観覧料:無料
お問い合せ:075-253-1509


2012/07/12

展覧会:芸術家Mの舞台裏(福岡)

タイトル:芸術家Mの舞台裏 福永一夫が撮った「森村泰昌」

 場 所 :ビームス福岡
      福岡県福岡市中央区大名2-1-10
      電話 092-737-2401

 会 期 :2012年 7月17日(火)~8月12日(日) 会期中無休
             11:00~20:00

 今年4-5月に東京・Bギャラリーで開催され、好評のうちに終了しました「芸術家Mの舞台裏」展が
福岡会場に巡回します!
 森村が2010年から発表している「なにものかへのレクイエム」シリーズを中心に、作品製作の
舞台裏を撮影した、福永一夫氏の写真作品を展示、販売します。
展覧会に併せて、同タイトルの写真集もビームスから販売。
同時期に福岡県内で開催の「まねる美術史」展(北九州市美術館分館)、「美術史への誘い」展
(三菱地所アルティアム)と合わせてぜひ足をお運びください。
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