2010/09/09

日本経済新聞

 2010年 9月9日  (執筆・連載)
 
 クロスボーダー REVIEW
   美術家・森村泰昌が見た映画 「トイレット」


9月4日

思えば7月初めから2ヶ月あまり、ときどき日記が滞った。
日記とは、なにかをなした後の記録だが、なにかをなすことが追いつかない毎日を過ごしていると、
なした事の記録を記すよりも、なした事の次ぎに来るなすべきことのほうが優先されてしまう。
などと説明しても、ようするに日記を書くのが苦手な私の昔からの性格が出てしまったというに過ぎない
のかもしれない。

4日も猛暑。豊田市美術館で上野千鶴子さんとのトークがあった。初顔合わせ。はじめてのひとは緊張するが、
この緊張が吉と出るか凶と出るかはわからない。
今日はどっちだったのだろう。
豊田市美術館での個展は明日で終了。高松市美術館で開催中の「モリエンナーレ/まねぶ美術史」も明日で終了。
私の夏がこうして終わる。

上野さんとの対談のどこかで、原田康子作「挽歌」という小説について話そうと思っていたが、忘れていた。
昔、NHKのテレビドラマで初めて知って、その後すぐに文庫本を買って読んだ。テレビドラマでは、ビバルディ
の「四季」の「夏」がタイトル曲として使われていた。ビバルディを初めて知ったのもこのドラマでだった。

「挽歌」は「晩夏」を想起させる。
今年もいよいよ後半にはいってゆく。