2009/09/06

2009年9月4日

090904レクイエム展の全体会議を大阪で行う。事前の打ち合わせを午前11時から。
12時半から4時過ぎまで、巡回美術館や新聞社の人々、総勢11名で、多くの議題。会議後も数人で事後の打ち合わせ。ぐったり疲れるが、山積する問題とともに光明も相半ばして見えてきた、かな。
しかしそれにしても、まだまだたくさんの新しい作品を作らなければならない。間に合うか、それが問題だ。
家の近所の道端に、自然に生えてきたアサガオが、捨てられた自転車に巻きついて白い花を咲かせていた。かなりスゴい「街角美術」ではないだろうか。
就寝前、某新聞に連載している映画評を書くため、アニエス・ヴェルダ監督の「アニエスの浜辺」のサンプルDVDを鑑賞。
朝明けに悪夢を見る。セリフを一行も覚えていないのに、芝居の舞台の幕があく夢である。何度となく見る悪夢であるが、今回は、この失態に対する厳しい事情聴取の場面が加わっていた。


2009/08/31

2009年8月29日

090829

ホテルチェックアウト。午後1時にエプサイトの会議室で男性誌「ウオモ」の近藤さんと打ち合わせ。3時過ぎから、ギャラリーに人々が集まり始める。午後5時から山口裕美さんとのトークショー開催。
終了後、荷物が多く、シュウゴアーツの大地さんにつきあってもらって、タクシーで東京駅まで行き、新幹線に乗る。疲れていたが、昨日ボイスレコーダーで録音した山種美術館での対談の模様を再生してラジオがわりに聴く。山下さん、ここでこんなことも言っていたんだと、改めて気がつくこともたくさんあった。もっと相手の発言に耳を傾けないといけないと反省しつつも、おもしろく録音されていて、ひとりで笑ったりした。
*写真はエプサイト会場入り口の、「南国果実図屏風」とフリーダの花輪作品


2009年8月28日

090828

朝からエプサイトに行き、ビデオとデジタルカメラによる記録撮影を行う。
午後1時、赤々舎の姫野さんと打ち合わせ。
なんだかかなり疲れている、3時過ぎから45分間、ホテルのベッドで仮眠。すこしホッとする。
4時半、広尾に完成した山種美術館に到着。開館はまだ9月末なのだが、本日はここで、日本美術史家の山下裕二さんと誌上対談(美術手帖)。テーマは開館記念展となる速水御舟である。
横山大観をはじめとする日本画家批難があいつぐ発言となる。館長の山崎妙子さんがそばでずっと聞き耳をたてておられたので、こんな支離滅裂で史実を無視した乱暴なことばかり言って盛り上がってもいいんだろうかと反省しつつも、話はエスカレートしていった。
7時半、パークハイアットで、エプサイトのキュレーションをしてくれている本尾さん、花輪の藤野さん、表具の村山さん、そして私の4人で会食。
*写真は、和物の部屋の展示


2009年8月27日

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午前11時にエプサイトに行く。藤野商店の藤野さんが花輪作品の組み立てをしてくれていた。午後、表具師の村山秀紀さん到着。和物の部屋の展示をはじめる。今回の展示は、メキシコの画家フリーダ・カーロの絵に私自身が扮した作品を日本の花輪で飾るという太陽の光を感じさせる世界と、蝋燭の炎が似合いそうな陰影礼賛の日本的世界を対比的に扱いながら、それらの世界を迷路のごとく彷徨うような展示にしたかった。いろいろ工夫しながら夜遅くまで展示作業。
*写真はエプサイト、フリーダの部屋の展示


2009年8月26日

090826

朝からコンピュータ合成のラボに行く。前に壊れたデータのやり直しをチェック。前よりも良くなり満足。新宿に戻り、ほぼ完成した壁紙張りをチェック。骸骨柄が、思った以上にすばらしい。明日はいよいよ作品展示である。
夕方、新潮社の田中さんに会い打ち合わせ。その後、ひとりでホテルの室内プールへ行く。久しぶりのプール。夜のビル群が最上階にあるプールのガラス張りの壁からよく見える。たくさんの人々が働いている姿を眼下にプールサイドで寝そべる。
*写真はホテル客室の窓から見える新宿の街


2009年8月25日

090825

午前に大阪を出て東京へ行く。29日まで滞在の予定で、新宿のエプサイトギャラリーでの個展「魔舞裸華視」の準備が主な目的。
午後1時すぎにギャラリーに到着。立て込みや壁紙のチェックを行う。今回は、壁紙をオリジナルで制作したので、それを貼るとどうなるかも気になるところ。
会場チェックの後、シューゴアーツの佐谷さんと大地さんとの3人で、「レクイエム」展に関する打ち合わせを6時くらいまで延々やったが、問題山積状態のまま、とりあえずお開き。
夜は某知人数人と某所にて密会。
トマトのすりものの茄子とウニ〜ナマと焼き鱧の組み合わせ〜子持ち鮎のあぶり〜鱧素麺〜鯛とメジマグロの造り〜コノワタと餅米〜スッポンスープにフカヒレの組み合わせ〜鴨茄子と牛肉しぐれ〜ソバ〜焼いたモナカの皮ではさんだイチジクのアイスクリーム〜そしておみやげに、食べきれなかった鴨御飯。もう食べきれないところまで堪能。
*写真はエプサイト、壁紙が貼りかけの会場


2009/08/23

2009年8月21日

090821二度目の御前崎ロケハン。午前8時20分に京都出町柳で待ち合わせ。車で一路御前崎へ。総勢4名。約4時間半で到着。ロケ候補地を探し歩いた後、数カ所で、ビデオのテスト撮影。硫黄島のスリバチ山に旗を掲げるシーン、兵士が浜辺を歩くシーンなど。夕暮れまで粘り、帰途に着く。京都にはなんとか10時半に到着。ここから京阪電車で大阪に戻る。帰宅は12時をまわる。
夜、寝ながら、いろいろ考える。この映像作品はなんなのか‥‥。自分は映画を作りたいのか。それならクリント・イーストウッドのすばらしい映画があるじゃないか。
ふと思ったことがある。これまで私が試みてきた動画作品が、「もしも写真が動いたら?」とか、「もしも絵画が動いたら?」というような想像力を働かせることだったとしたら、今回はその反対で「もしも映画が止まって絵画になったら?、あるいは写真になったら?」というような想像力を働かせることではないか。極端にいえば、紙芝居のような「一束」の映像作品。ひとつひとつのシーンを一枚一枚の絵作りとしてとらえ、それらを一枚一枚ていねいに見せて行く事で展開してゆくような、紙芝居‥‥‥。「映画」ではなく、「絵異画」。うーん、あまり気がきいていないが、映画なんだけれど、「映画とは異なる絵画」としての映像、映画なんだけれど、根は絵画であるような映像世界。これだと作れるような気がする。美術家の私が映画監督になろうなんて気はさらさらないし、映画監督になりたいのなら、美術館ではなく映画館で上映すべきであろう。
「私はどんな旗を戦場に頂上にたてるのか」、この問いへの答えも、だんだんはっきりしてきたように思う。当初の計画から、どんどん変わって行くのだが、それはとてもスリリングである。まだまだ反転力を活かせる時期だから、おおいにちゃぶ台はひっくり返そう。
ロケハンとは、場所探しであるよりは、「なにものかとの出会い」の体験である。そしてなにものかに出会うと、なにかがガラリとひっくりかえって、道が開ける。
*写真は、遠州灘を背景にした兵士の私。