2009/12/01

11月29日

昨日の撮影の続きを私の仕事場で行う。もう群衆シーンは終わっているので、少人数での撮影である。

夜、夢を見る。
私は不正乗車のためにいろいろと事情聴取を受けることになるのだが、私自身は、「不正」であることの理由がよくわからず、まったく罪の意識が感じられない。聴取する者といろいろやり取り(=会話)をしている内に、「罪と罰」についての討論となる。
罪と罰の関係はいろいろである。罪を犯した人間がその罪深さを感じているなら罰は意味がある。しかし、例えばある三叉路にさしかかり、右に行くのも左に行くのもたいして変わらないのに、なぜかたまたま、右に行くのが正しく、左に行くのは批難されるというケースもあるだろう。そんな時、右に行くといいが、左に行くほうを選んでしまうと、それは罪となり罰が与えられる。こういうケースを考慮に入れるならドストエフスキーの「罪と罰」も、現代的な改変が求められるのではないか‥‥などと私は得々として語る、そんな夢だった。


11月28日

091128
1945年にドイツのデッサウで撮影されたカルティエ・ブレッソンの写真をテーマに作品を作っている。
本日は写真に写る35名ばかりの群衆のスタジオ撮影。午前10時に大阪の夕陽ケ丘にあるサンスタジオ入り。準備を経て、午後1時に「群衆になる」人々が集合する。関西を中心とする美術関係者(キュレーター、ライター、記者、編集者、大学や高校の先生、写真家、映像作家等々)が一堂に会する。いつもは、観客から見られる作品や展覧会を制作企画する側の人々が作品の中に登場し、観客のほうを見つめ返すような視線の構造が感じられて、その逆転が面白く作品化されるかもしれない。
撮影終了後、美術手帖の編集長、岩渕さんと打ち合わせ。
*写真は、元になった写真と撮影した群衆写真のコピーと配役を記したメモ

夜、夢を見る。
私のところに殺人を犯した犯人が来る夢である。しかし唐突にやってきたのではない。私は犯人をおびき寄せる画策に協力しているのである。殺人者は生真面目な表情と服装の40歳前後の男だった。この「画策」はその後どう展開したか覚えていない。犯人は捕まったのかどうか‥‥。いずれにしてもこのプロジェクトは、ちょっとハラハラドキドキさせるおもしろいものであり、同時に危険が伴う怖さもあった。


展覧会:カレンダー for 2010

 場所: アートスペース虹
 会期: 2009年12月8日~12月20日
出展作: 2010年カレンダー 6点

二年に一度開かれる展覧会で、今年森村は6点を出品します。すべて各1点しかないユニーク・
ヴァージョンのオリジナルカレンダーです。


てんとう虫(UCカード機関誌)

 2009年12月号    (執筆・連載)

 ART 『少女の友』展 中原淳一を生んだ伝説の少女雑誌の48年、p66。


草月

 2009年 冬号 No.3 季刊  草月文化事業㈱・出版部発行 (対談)

 対談:美術家・森村泰昌+草月流第四代家元・勅使河原茜
新宿・エプサイトギャラリーの森村個展会場で、作品の前で花を活けられたお家元と森村が対談、
掲載写真も多数、p8-13。

 


クロワッサン・プレミアム

 2010年 1月号

 勅使河原 茜さんのエッセイ「夢見る頃は過ぎてない」の中で、森村作品の前で花を生けた話を
紹介しています、p88-89。